TRAKTOR KONTROL X1 開発者インタビュー
リリースパーティの開催、日本国内での発売日決定など、ますます注目が集まっているTRAKTOR KONTROL X1。みなさんにもっとX1の魅力を知っていただきたいと思い、ディリゲントはNI社に対してX1に関するインタビューを行いました。
どのような経緯でX1の開発が行われたのか、実際の使用感はどうなのかなど、かなり突っ込んだ質問も含めたインタビューとなっています。全3回にわたってそのインタビューの全貌をお届けしたいと思います!
TRAKTOR KONTROL X1 開発者インタビュー vol.1
Daniel Klose
DJ Product Management Associate
NIで働くようになる前、Daniel Kloseはオーストラリアのブリズベンのクイーンズランド工科大学にて、インターナショナル・ビジネスとITマネジメントで修士号を取得しました。オーストラリアでの2年間の滞在で、彼は他の文化に対する明敏な洞察力を会得し、X1のようなプロジェクトに参画することで、彼はこれらのスキルを毎日のように生かしています。この他にも、彼はデジタルDJで長年にわたる経験を積んでおり、現在はその製造に携わっています。
■「DJの目線をラップトップから外し、聴衆に向けさせるのがゴール」 - Daniel Klose
─TRAKTOR専用のコントローラを開発しようと考えた理由は何ですか?
TRAKTORとよく動作するDJコントローラは世の中にあふれていますが、それらはMIDIとHIDプロトコルという制限があるため、完全にシームレスな統合が実現されているわけではありません。また、市販されている多くのコントローラは、多種多様なアプリケーションに対応しようとする、まさにその普遍的なアプローチがあるが故に、完全にシームレスな統合が実現されないのです。そのため、弊社は全てのアプリケーションに対応させようとするのではなく、TRAKTOR専用の追加コントローラを作成し、ミキサー、ターンテーブル、CDプレイヤーなどを、むしろ補完するようなコントローラにしたかったのです。
また、コントローラとTRAKTOR間の真の意味での直接的な統合を実現し、コントローラがTRAKTORの機能と精確に対応、動作するようにしたかったのです。これを実現するために、弊社は独自のUSBコントローラ・プロトコルを使用しました。これにより、デッキのプレイバック・テンポが点滅するボタンや、汎用MIDIコントローラの番号ではなく、TRAKTORのマッピング設定上でハードウェア・コントロールにわかりやすい名前がつきました。
─X1の名前の由来を教えてください。
TRAKTORソフトウェアとコントローラ間の密な統合を示すために、この名前にしました。実際にこのデバイスは、TRAKTORと可能な限り密接に動作するように設計されています。実は、このコントローラは同じソフトウェアの開発者たちにより設計、開発されたのです。そのため、この名前はコントローラの目的とぴったりあっていると弊社は感じています。
─X1の構想から完成まで、どの程度の期間を要しましたか?
およそ1年半前に最初の草案を作成しはじめました。もちろん、弊社独自のTRAKTORコントローラのコンセプトについては、これよりも随分前に話し合っていました。X1で開発を進めていくに従い、すでにあったコンセプトが洗練されていったのです。開発の各段階において、プロのTRAKTOR DJの意見を収集し、デザインは数回練り直さています。
─X1の開発において、特に意識した点は何ですか?
DJの目線をラップトップから外し、聴衆に向けさせるのが弊社のゴールでした。これを達成するには、重要なプレイバックとFXパラメータへ直接アクセスすることができるコントローラを作成するしかありませんでした。
─X1の開発にあたりDJなどの意見は反映されていますか?
開発段階で、何人かのアーティストと共に、数回デザインとレイアウトについて話し合いました。弊社は彼らから非常に貴重なフィードバックを得て、コントローラ・レイアウトの最終案のベースにこれらの意見を反映させました。
─どのような要望がありましたか?
エフェクト、ループ、ホットキューなど、TRAKTOR上のクリエイティブな機能の全てにワンクリックでアクセスできるようにするなど、多くのリクエストをいただきました。それと同時に、パフォーマンスを行う際の全体的な信頼性とノブやボタンの感覚という点で、多くのDJは現在所有しているコントローラの構造上のクオリティに満足していないとの意見もありました。