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TRAKTOR Artist Interview vol.2-1

TRAKTOR Artist Interview vol.2クラブなどの現場でTRAKTORをご使用いただいているDJやアーティストをご紹介する、TRAKTOR アーティストインタビュー。第2回目は、日本のみならず世界規模で活動を続けているHiroshi Watanabeさんをお迎えします。3時間以上にも及ぶかなり深い内容のインタビューを、数回にわたって余すところなくお伝えしていきます。それではスタートです!(Photo by Daisuke Sakurai)

Hiroshi WatanabeHIROSHI WATANABE aka Kaito

KOMPAKTよりKAITO名義で数々の作品を発表。驚異的なヒットを記録しFrancois KevorkianのMIX-CDに収録されるなど大反響を呼び、現在も世界中でスピンされ続けているSpecial Lifeのリリースからはや8年が経ち、その後は KOMPAKT/Total 6にも収録された表題曲を含む全ダンスミュージックフリーク待望の2ndアルバム “Hundred Million Lightyears”をリリースにあたりアムステルダムで行われた5 Days Off Festival、ベルリンのKompakt Night、そしてバルセロナのMonegrosDesert Fes等のビックイベントに出演しLIVE演奏を披露。世界屈指のパーティーアニマル達を熱狂の渦に巻き込んだ 。その間にギリシャからはKLIK RECORDSより本名名義でのアルバム“GENESIS”をリリース、そしてこの数年内にギリシャへのツアーは幾度となく行われ、DJ、LIVE共に高い評価を受ける。 2007年KOMPAKTよりKAITO名義での初のDJ MIXCD”Contact to the Spirits”をリリース、 2008年には曽我部恵一を向え、ヴォーカル作品を交えた初のオリジナルアルバム『Life,Love』もリリース。そして、2009年、新たにKAITOの3rdアルバム『TRUST』をKOMPAKTより9月にリリース!

www.hiroshiwatana.be


「すごい衝撃を受けて、これがTRAKTORかってなった」 - Hiroshi Watanebe

ーDJを始めたきっかけを教えてください。

高校を卒業して1990年にボストンに留学して、音楽学校に入学したんですけど、この音楽学校で知り合った友達からダンスミュージックを聴かされたんですね。それまでは、純粋にアナログシンセサイザーを使って打ち込みをやってた、ウェンディ・カルロスとか冨田勲などのシンセサイザー・ミュージックやスティーブ・ライヒ系のミニマル・ミュージックを聴いていたんです。

僕が音楽としてすごく興味を持っていたのは映画音楽で、映像があってそこに音楽が付随して、それがシンクロしているという世界がとにかく好きで、それと同時に中学、高校でロックバンドをやったりしながらロックもずっと聴いていて、そういうものが三位一体になりながら、ボストンに行ったんですよ。

そこで新たに出会ったのがダンスミュージックで、それにメッセージ的なものをすごく感じて、たぶんこの音楽が自分に一番きているんじゃないかと、すぐに感じたんですよ。

ーそれはすごくわかりますね。僕も一緒でした。


僕は始めにダンスミュージックを聴いて、ビート感とかダンスミュージックとしての構成パターンに触れた時に、自分が元々創ってきた世界観が上モノとしてあって、そこにいかにしてビート感みたいなものを融合していったら、オリジナルのダンスミュージックを創れるんだろうかというのが膨らんだんですよね。

まさにこれしかないと思って、いろんなダンスミュージックをどんどん研究していって、自分で創っていく時代に入っていくんですけど、軸となるものが何か一つ足りないわけですよ。いろんなものを聴いて、自分のトラックもそれなりに格好良くはなってきているんだけども、何かが違うと感じていて、僕自身がクラブという場所に足を運んで、DJとかそういう世界観全てを体感していないんだと感じたんですよ。

音楽というものだけを漠然と捉えちゃって、そこに自分が実験していくというところに入っていっちゃったんだけど、この音楽に関してはそれじゃ足りないんだと思ったんで、DJやるしかないと思い、中古でターンテーブルを買って、ミキサーを譲り受け、DJを始めたんです。自分に足りないものを探るために始めたのがきっかけなんですよ。

ーなるほど、あまりないような入り方ですよね。

そうなんですよ。研究のためなんですよ(笑)。

ーマニアックなところから入ったDJということなんですね(笑)。DJを始められた時は、どのような曲をかけていたんですか?

4つ打系で言うと、Orbitalとか、808Stateなどのちょっと上モノきれいで、リズムがしっかり入っているものも好きだったし、XL Recordingsみたいなブレークビーツがガッツリ入っているような、Nu-MaticとかProdigyなども好きでしたね。

そこから、Hardfloorとかに流れていって、派手にプログラミングだけで聴かせるものだけじゃなく、シンプルなんだけど、こんなに格好いいんだというところにどんどん入っていくんですよね。僕の感覚で言うと、シンセサイザーがベースなんで、Technoの方が断然おもしろいと思っていたんですけど、そこでだんだんHouseのおもしろさをわかっていっちゃうんですよね。

ーTechnoから入られて、House的要素が組み込まれていったということなんですね。

それで、ニューヨークに行くんですよ。

ーその中で、影響を受けたアーティスト、DJはいますか?

うーん。そこっていつも悩むんですよ。DJスタイルそのものに影響を受けたかというと、自分の中で微妙で、シーンそのものの影響の方が大きかったんですよね。

僕が一番濃く触れちゃったのが、ニューヨークのサウンドファクトリーで体感していたJunior Vasquezのプレイではあるんだけど、Junior Vasquezそのもののプレイだけに影響を受けたんじゃなくて、やっぱりあくまでもその強いシーンだったと思うんですよね。シーンの中にあるエネルギーを僕が体感したことで、自分だったらどうプレイするだろうっていうので、その時に自分が好きだったレコードをやっぱりこねくり回したいわけじゃないですか。誰かのまねじゃなく。そこがあるんで、すごく難しいんですよね。

しいて影響されたと言えば、音楽的要素で言うとCarl CraigとかJuan AtkinsとかKenny Artinとか、やっぱり黒人の人の部分っていうのが強いですね。自分の音楽が、そういうブラック的要素があるかって言うと、そんなにはないとは思うんですけど、太いパイプとなって自分が感じてる部分ってそっちの方が強かったりするんですよ。横軸のグルーヴ感そのものをいろんなとこから感じ取ってたっていうのはありますね。

ー現在DJの際にどのような機材を使用しているのですか?

MacBook ProにTRAKTOR PROとAUDIO 8 DJとTR-1のセットですね。つなぎ方も今まで色々と試してたんですけど、最近落ち着いたのが、インターナルモードにしてメインのDJミキサーをステレオで2チャンネル使って、1つのチャンネルをTRAKTORのメインアウト、もう1つのチャンネルを常にヘッドフォンモニターのアウトにしておくセッティングですね。前までは、エクスターナルモードで各デッキをそれぞれのチャンネルに出力して使ってました。

ーDJミキサーは、クラブにあるものを使用するんですか?


そうですね。そこは別に選ばないですね。よっぽど現場にあるミキサーを使いたいなという時だけはエクスターナルモードにしてプレイします。だけど今は、コントローラーをメインにしてるんで、ほぼインターナルモードでのつなぎ方をしてますね。

ーそれでは、TRAKTORを使用する前は、どのような機材を使用されていましたか?

TRAKTORを使用する前の機材は、CDJはそんなには使ってなかったんで、やっぱレコードのみですよね。レコードを3枚がけみたいな部分が僕の中で一番プレイしてて好きだったんで。たぶんTRAKTORでいろんな音楽の中で発想しながらやっていくことと、ターンテーブル3台使いながら、レコードを見ながら感覚的にやってくことって、あんまり自分の中で変わってないんですよね。

ーかけるものがレコードなのかオーディオファイルなのかだけということですね。

そうそう、なくなったのはターンテーブルにレコードおいて、プレイしてピッチを合わせるってとこだけですよね。

ーそこに関しての気持ち的な部分は大差はないということですね。


そうです。最初は、移行するにあたってやっぱり苦しみましたけどね。ただ、移行する時の苦しみっていうのは、これはアドバンスだから誰よりも先に苦しんだ方が絶対に先に行けるだろうっていうことはすごく感じてました。

ーその辺の思考はすごく早いですね。当時は、そうは思えなかったりしますもんね。

そうですね。あと、怖いしね。実際に現場で失敗もするし。だけどそう言うのは、何故かふっ切れてたんですよね。いろんな人にレコードでやってた時の方が良かったとか、あっちの方がかっこよかったとか、いろいろ耳に入ってきてたんですよ。音がどうだとか。そりゃ確かに、当時に遡ればインターフェイスの質も良くないし、パソコンのパワーだってないわけだから、音だって今より全然しょぼかったのは事実なワケで、なんとかミキサーのEQでブーストしたりとか、いろんな工夫はしなきゃなんなかったから、そこはもうどうしようもない問題だったけど、それでも言われ続けても絶対今に見てろと思ってたんで、今となっては良かったですよね。

ーまさにそれが今きてるということですね。

そうですね。たぶんそこのアドバンテージがなかったら、TR-1にもつながんないんですよね。TR-1が出るまでに開発から含めると3年位前に遡るわけじゃないですか。3年前にアイデアを求められるためのアドバンスってものを、そこに僕も運良くいけてたと思うんで。

ーそのアドバンテージが、今のスタイルにすごく反映されているわけですね。それでは、TRAKTORを使用するきっかけを教えてください。

TRAKTORを使用するきっかけは、完全にTOBYさんなんですよ。イベントで一緒になった時、TOBYさんがDJで、ラップトップだけ持って来てて、DJミキサーだけおいて、それでDJやったわけですよ。僕、すごい衝撃を受けて、えーっと思って、これがTRAKTORかってなったわけですよ。それで、これしかないじゃんみたいに、一気に飛びついたんですよ。それが、TRAKTOR DJ STUDIO 2でした。

続く…


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